一.普及対策について
(一) 普及推進体制について
<質問>
地デジが道内に完全に普及するには、新たな電波が道内の何処にでもきちんと届き、これを視聴者が明瞭に受信できる受手側の課題があります。このような普及対策に係る道内の組織として、地上デジタル放送の開始日である平成18年6月に、国や市町村、放送事業者、また消費者協会などの各種団体などで構成された「地上デジタル放送推進北海道会議」が発足し、道もこのメンバーとして、また道庁内に担当セクションも設けて取り組んできたと承知しております。これまで道は主にどんな役割を担ってきたのか、まず伺います。
<答弁>
道は、北海道における地上テレビ放送のデジタル化を推進していくことを目的に北海道総合通信局や放送事業者などにより設置された「地上デジタル放送推進北海道会議」に参画するほか、テレビ受信者の地デジ受信の支援や地デジ放送の普及促進を目的に、電機商業組合やケーブルテレビ連盟、マンション管理組合連合会などを含む関係団体の実務者で構成する「北海道地域テレビ受信者支援連絡調整会議」、さらには地デジチューナー支援の適切な運営を図るため、北海道総合通信局、放送事業者等で構成する「チューナー支援連絡会議」などにも参画し、事業の推進に関する意見交換を行いながら、道内市町村への情報提供や道民への周知広報活動、関係団体間の連絡調整を行うなど、全道的な視点から、円滑な地デジ化に向けた普及促進に努めてきたところであります。
また、47都道府県の地デジ担当課長で構成する「地上デジタル放送普及対策検討会」に幹事として参画し、国や放送事業者が進める地デジ関連施策に対し、地方公共団体の立場から提言要望を行うなど、全国的にも地域格差に生じることなく地デジ化を進めるよう、取り組んできたところであります。
(二)受信機の普及について
<質問>
地デジの電波が発射されて以来、視聴者の関心事として対応テレビの新たな購入があった訳ですが、放送事業者や家電メーカー・販売店の主導のもと、また国もエコポイント制度を導入して道内でもデジタルテレビが相当、普及していると思うが、直近ではどのようになっているのか。一方、世帯での普及とともに、災害対応などのために病院や老人ホーム、また公共の建物など多くの人々が住んだり利用する施設での普及も大切ですが、世帯以外での普及はどのようになっているのか伺う。また一部識者からはアナログ放送の終了直前にテレビの買換え需要が急増して店頭で品薄になるなどの懸念が指摘されていますが、道内ではこのような現象は大丈夫なのか伺います。
<答弁>
地上デジタル放送に対応したテレビなどの受信機の直近の普及状況につきましては、放送事業者等で組織する社団法人デジタル放送推進協会が、本年3月に実施した全国調査では、道内の世帯普及率は83.6%となっている。
また、世帯以外の普及に関してですが、平成21年12月25日の関係省庁間で決定された「地上デジタル放送への移行完了のためのアクションプラン2009」の中で、公共的な施設のうち、利用者にとってテレビが災害等の緊急時の情報入手手段として特に重要な役割を果たすと考えられる学校、公民館、病院、社会福祉施設については、各施設のデジタル化改修が完了するよう所管省庁から随時注意喚起を行うとともに、改修状況について把握するよう努めることとされていますが、現在のところ所管省庁による調査は行われていません。
なお、今後の地デジ対応テレビ等の需要と供給の動向につきましては、11月に公表される予定の9月末現在の世帯普及率を注視したいと考えているが、いずれにしても、関係機関と連携しながら早めの地デジ化対応の呼びかけに努めてまいりたい。
(三)経済困窮者の負担軽減について
<質問>
今ほどお聞きしたように今年3月現在で道内の対応受信機の世帯普及率は83.6%ですが、少なくとも100%でないのは特に費用の問題から購入を控えているか、まだ時間があると思っている方も多くいるものと考えられます。しかしテレビの買換えは勿論、受信対応には多額な費用がかかり一般家庭にとって家計への負担は相当に大きく、今後について思案中の家庭もあると考えます。国は生活保護世帯など経済的な理由で地デジ放送がまだ受信出来ない世帯に対して、簡易なチューナーなど必要最低限の機器の無償給付などの支援を行っていますが、これらの受付期間を今年末までに延長したようですが周知の方法や、取付工事の進捗状況について伺います。
<答弁>
本事業の実施主体であります総務省地デジチューナー支援実施センターのデータによりますと、開始年度となりました平成21年度から本年9月5日までの道内の受付数は71,934件となっており、そのうち、取付工事を終えたもの、自ら取付けを希望する世帯へのチューナー送付を終えたものなど、9月5日現在における完了率は50.7%となっている。
また、本年度分の申込受付期間につきましては、当初は7月22日までとされていたところを12月28日までに延長されたところですが、チューナー支援実施センターにおいては、ホームページでの周知や市町村に対して文書による広報の依頼を行うほか、本年8月以降、道内のほぼすべての市町村を訪問し、受付期間の延長も含めたチューナー支援制度の内容を詳しく説明するとともに、各市町村内の給付対象者に対する周知などへの協力を依頼したところであります。
二.送受信対策について
(一)中継局の整備について
<質問>
道内の中継局整備については、道内各局では、これまでロードマップに則して毎年、計画的に中継局を整備しており、3月末現在の道内世帯のカバー率は約98%ですが中継局の整備率は60%となっています。これは道内では残る2%強の世帯が分散していることから、それをカバーするためには、出力の小さい中継局をたくさん整備しなければならないことを意味しています。中継局の整備は、事前に放送エリアや電波の強度などを調査し、試験電波を発射して確認するなど手間のかかる工事ですが、現時点での進捗状況はどうか、また、年内中の全ての整備は可能か、伺います。
<答弁>
道内における中継局整備につきましては、国と放送事業者で組織する北海道地上デジタル放送推進協議会において、地上デジタルテレビ放送中継局ロードマップを作成し、それに基づき推進しているところであり、道内で整備が必要な1,014の中継局のうち、平成21年末までに608中継局の整備が終了し、残る406中継局については本年中に整備を行うこととされています。
これらの中継局は全て着工しており、その中には整備を終えたものや、すでに試験電波が発射されているものもあるとのことであり、今後も着実に整備を進め、年内にはすべての中継局整備を完了することとしていると伺っています。
(二)都市部の対策について
1.ビル陰などの対策について
<質問>
札幌を初め道内の大きな都市部の中心市街地には高層ビルなどの陰に位置している住宅が多くありますが、これまでのアナログ放送においては慣行的に後から建設し、電波を遮断する原因を作った建物側の責任において、ビル等の屋上に共同アンテナを立て有線経由で周辺住宅の電波障害に対応してきたところです。しかし、地デジ放送については、アナログと違う電波特性から個々の家屋がUHFアンテナの設置等で受像が可能な場合が多いことから基本的に自前で対応せざるを得ない動きが広がっています。一方、専用アンテナでも確実に受像できない世帯では、これまでと同様のビル側の対応を求めていますが、共聴施設に掛かる費用の負担割合を巡って全国的に一部、トラブル等が起きていると聞きます。これまでの道内での、このような状況はどうなのか、また、このような事態が起きている要因として国は、これまで「原因となる施設側の負担」を原則として各種の助成策を講じているものの、施設側、視聴者側の双方に十分、その趣旨が周知されていない事情もあると思うが、道として、どのような対応をしているのか伺います。
<答弁>
総務省テレビ受信者支援センター、愛称デジサポにおいては、ビル陰対策にあたって、視聴者である受信者、共聴施設の管理者、受信障害の原因と考えられる高層建築物等の所有者や、その建築物の管理者との間に発生する民事的な紛争を対象に弁護士による法律家相談と、相談では解決に至らなかった際の和解に向けた調停を実施しており、取り組みがスタートした昨年10月から本年9月15日現在までの道内における相談件数は15件、調停については3件となっております。
また、ビル陰対策に係る助成制度等の周知についてですが、デジサポにおいては、パンフレットの配布やホームページでの周知、道内各地で開催する地デジ相談会における周知のほか、道内主要都市で、受信障害対策共聴施設等の助成制度に特化した相談会を実施しているところであり、道としても、ホームページへの情報掲載や道庁ロビーでの地デジ相談会の開催など、当該助成制度の周知に努めているところであります。
2.集合住宅などの対策について
<質問>
マンションなどの集合住宅のテレビ受信については、これまでも屋上等に共同アンテナを立てた共聴施設で各世帯に電波が届いている訳ですが、地デジ受信には設置している共聴施設を改修するか、ケーブルテレビのサービスエリアにおいては共聴施設からケーブルテレビに切り換えるという対応があります。今年3月末現在、道内の施設総数の約12万4千のうち96.2%の11万9千が改修等を完了しており、5,066が未対応となっています。残りの施設の対応については北海道総合通信局からは、集合住宅の管理会社への訪問においてプライバシーの問題から管理施設リストの提供が低く施設の把握に苦慮しており、訪問した1,432社中、121社から3,089棟数のリスト入手に留っていると報告されています。またマンション等の入居者に対して入居住宅の地デジ対応の状況を周知するため地デジステッカーの普及に努めているものの配布枚数は674枚と低調だと報告されています。入居者など住民の一部には、最後は国が面倒を見てくれると思いこんでいる人も多く、このような状況で目標の来年7月までに全施設の対応は可能なのか、伺います。
<答弁>
集合住宅に設置している共聴施設の地上デジタル放送への対応については、本年3月末現在で96%まで進んでいますが、デジサポにおいては、集合住宅の所有者や管理会社を訪問しての対策の説明に加え、本年度は、集合住宅診断キャンペーンとして集合住宅を訪問し、建物が地デジ化されているかを確認するなど、活動を強化している。
一方、集合住宅の所有者や管理者などで構成する全国賃貸住宅経営協会北海道支部、北海道マンション管理組合連合会、高層住宅管理業協会北海道支部などの関係団体においても、会員向けの機関紙に助成制度に関する情報等を掲載するなどの取り組みを行っているところであり、今後とも引き続き、デジサポと関係団体が連携しながら、集合住宅の入居者が地上デジタル放送へ早期に移行できるよう働きかけを行っていくこととしています。
(三)山間地等における辺地共聴施設について
<質問>
山間地など地理的な要因で電波が届かないことから共聴施設を設置し、テレビ視聴をしている地区がたくさんあると聞いています。地デジを見るためその改修には、相当負担が掛かりますが、この地域には高齢者の世帯が多く所得水準が比較的低いうえ、ケーブルの共聴施設などの加入世帯が減少しているため世帯あたりの負担が重くなります。このようなことから既存の共聴施設の改修を見合わせていたり、また中継局が未開局のため、今後でなければ改修できない地区もあると聞きます。中継局の整備は一義的に放送事業者の責任で行われ他方、共聴施設の改修はその施設の所有者である共聴組合や自治体が中心となって実施していますが、この連携についてはどのようになっているのか、また現時点でどの程度、改修が進み、完全デジタル化まで世帯間の格差を生じないよう間に合うのか伺います。
<答弁>
辺地共聴施設の改修に関する取り組みは、まず、中継局からの地上デジタル派を受信し、適切な受信点を定めるところから開始する必要があることから、中継局の整備主体である放送事業者においては、市町村を通じて、辺地共聴施設の管理者に対し、試験電波の発射や本放送開始日などの開局に関する情報を提供しております。
また、NHKにおきましても、施設管理者の希望により、受信点調査に協力するなど、放送事業者と施設管理者との間で連携をとりながら、改修を進めているところであります。
なお、辺地共聴施設の改修等の予定については、国において、ロードマップとしてその状況を把握しており、本年7月末現在、道内の347施設のうち、改修が完了したものが137施設、改修工事中のものが105施設、個別受信へ移行するものが40施設となっており、残る65施設についても、来年7月の地上デジタル放送完全移行までに完了するよう適切に対応していくこととしている。
(四)ケーブルテレビの普及について
<質問>
難視対策として、ケーブルテレビの利用は鮮明な画像を安心して受信できる対策として有効と考えます。しかし、費用が掛かるうえ道内には民間、三セク、自治体を含めて13の事業所しかなく、しかも都市部に偏在しております。新たな電波障害の対策として最も確実な導入手法であり今後、特に過疎地域を抱える自治体の抜本的な対策として期待も大きい訳です。道は都市部での利用も含めてケーブルテレビの普及について、どのように認識しているのか、伺います。また、ケーブルテレビ事業の今後の導入を考慮している自治体に対して道として、どのような支援を考えているのか伺います。
<答弁>
ケーブルテレビは、同軸ケーブルや光ファイバーを介して放送の共同受信を行うもので、都市部における高層ビルなどによる電波障害や、電波の届きにくい地方の山間部などにおける難視を解消するための選択肢の一つと考えておりますが、道内の都市部におきましては、民間事業者や第3セクターにより、多彩な番組を提供する営利事業としてケーブルテレビが展開される一方、世帯が広く分散している地域においてはケーブルをはじめとする設備の整備に多額の投資が必要となることなどから導入が進まず、現在、道内でケーブルテレビを展開している事業者は民間、3セク、自治体直営を合わせても13事業者にとどまっているところであります。
こうした中、直近の動きとして、道内の36町村が昨年度の経済危機対策の補正予算による交付金を活用したブロードバンド整備に併せて、極めて少ない市町村負担で、市町村全域における地デジ化や難視地域の解消に対応したケーブルテレビの実現に取り組んでいるところでありますが、現在はこのような国の手厚い支援措置はないことから、今後、新たに都市部以外の地域において市町村がケーブルテレビ事業に取り組むことは財政的に難しいものと考えている。
道としては、現在の厳しい財政状況を踏まえますと、このように採算面で厳しい面のある事業に対して支援を行うのは困難であると考えており、また、地デジ難視対策としての観点からは、まずは国及び放送事業者にしっかりと責任を果たしていただかなければならないと考えているところであります。
(五)工事業者などの確保について
<質問>
受信対策や難視対策には当然ながら各種の工事が必要です。特に山間部での中継局の設置や共聴施設の整備は、アンテナの据え付けのみで完了するのとは異なり、工事量も多く期間もかかります。これらを請け負う家電販売店や設備工事業者は全道的に不足していないのか懸念されるところです。道内の主要な地域毎に関連業者がどのように確保されているのか伺います。
また来年7月の完全デジタル化まで時期が迫るほど、駆け込みの需要が増えて一部の地域では地元の業者だけでは対応し切れない事態も想定されるが、これに備えた対応を、どのように考えているのか、伺います。
<答弁>
総務省のテレビ受信者支援センターにおいては、地デジ受信機器の設置や接続に関する相談に対応するため、全道の主な家電量販店、電器店やケーブルテレビ事業者629社を「地デジ化協力店」として登録しており、ホームページ上でも紹介しているところであります。
また、地デジ化推進に関係する団体の実務者による「北海道地域テレビ受信者支援連絡調整会議」の構成員であり、主として中継局や共聴施設の整備に従事している工事業者等49社が加盟する日本のCATV技術協会北海道支部によれば、中継局や共聴施設の整備に関しては、現在のところ、工事業者が不足している状況にはないと伺っているところであります。
一方、先ほどの答弁でも触れた、経済危機対策の交付金を活用したケーブルテレビの実現も含むブロードバンド整備に関してですが、道内では現在66の市町村で同時期に事業が行われており、事業量が膨大なことから、光ファイバの敷設に係る電柱の新設や配線作業等に時間を要するとともに、工事に必要な要員の確保にもご苦労される中で、各業者の皆様が本年度中の完成をめざして相当なご尽力をされている旨の話を伺っているところであります。
現状については以上のような状況にありますが、総務省においては、来年の7月に向けた各種の工事等への対応について、本年7月23日にまとめた「地デジ最終年総合対策」を踏まえ、地デジコールセンター等への相談を円滑に電器店や工事業者等に紹介する仕組みについて検討するとともに、本年7月に工事が集中する場合に適切に対応する体制や工事業者の確保方策等について検討しているところであります。
いずれにしましても、地デジ化対策が済んでいない地区や世帯等については、移行時直前に工事が集中することを避けるためにも早めの対応をしていただくことが重要であり、道としても関係機関とともに引き続きその周知を図って参りたい。
三.移行時の混乱回避などについて
(一)移行時の混乱回避について
<質問>
地デジへの対応については当初から、関係者が強く懸念していたことの一つに移行時における様々な混乱を、どのように小さく収めるかがあります。移行間近になって、それまで周知不足などから無関心だった世帯や地域が、新たなテレビの購入を初め受信関連の工事を急遽、希望する事態や、また継続中の工事や諸般の事情により積み残された工事の早期の完了を強く求められる事態も想定されます。一方、テレビコマーシャル等では、来年の完全移行を連日、PRしていますが、国の計画では来年6月末にアナログの通常放送は終了して7月24日までの約3週間は「移行期間」とし、この間はアナログ電波を流し7月24日の正午に電波を停止することにしています。この方針は、昨年の4月に放送事業者も入った国の協議会で決まった訳ですが、3週間のアナログ画面の取り扱いを巡って放送局各社の足並みは揃っておらず、移行期間の周知も重なって視聴者が大混乱する恐れも指摘されています。道は、このような事態を防ぐために道内の関係機関、放送事業者、また、道民に対する今後の周知方法について伺います。
<答弁>
来年7月1日から24日までの「移行期間」も含めた、アナログ放送終了間際の対応策については、本年7月23日に総務省がまとめた「地デジ最終年総合対策」に基づき、関係機関が連携しながら対応することとなっており、主要な対応策としては、地デジコールセンターにおける1,000人規模の人員の増員や回線の拡充、全国1,000カ所程度の身近な臨時相談コーナーの設置などが予定されています。
しかしながら、アナログ放送終了間際の混乱を回避するためには、出来る限り多くの方々に早期に地デジ化に対応していただくことが必要であることから、現在、関係機関においては、周知広報の強化や各種対策の実施促進に努めているところであります。
なお、来年7月の「移行期間」におけるアナログ画面の取り扱いについては、まだ放送各社の対応が確定していませんが、道としましては、この対応が確定し次第、早急に市町村をはじめとする関係機関と連携して道民の皆さんへの周知を図るなど、万全を期して参りたいと考えています。
(二)ブラウン管テレビの処理について
<質問>
最近、薄型テレビの普及に伴って、これまで使われてきたブラウン管テレビの処理が問題となってきました。昨年度に道内の解体業者などに引き取られたテレビの台数は前年度の約2倍の56万8千台で、現在も増え続けています。また、テレビの廃業にはリサイクル料金が掛かることなどから、不法投棄も後を絶たない状況にあります。道内には家電のリサイクル処理の専門業者が少なく今後の急増にも対応しきれるか懸念されますが、まず現在の基本的な処理方法について伺います。
また、不法投棄については、台数自体はそれほど増加していないものの、一部の家庭では所定以外のゴミにテレビを分解して混入しているケースが増えておりゴミの収集作業にも支障を来しているようですが、どのような実態にあり、また自治体や廃棄物処理業者などに、どのように対応しているのか伺います。
<答弁>
特定家庭用機器再商品化法、いわゆる家電リサイクル法では、ブラウン管テレビなど、4つの家電製品について、消費者による引き渡し、小売業者による回収、製造業者等による回収された家電製品の再商品化などの役割分担のもとでの、回収・リサイクルシステムを規定しているところであります。
そのリサイクルの流れとしては、消費者がリサイクル料金を負担し、小売店に引き渡し、引き渡しを受けた小売店が、道内32カ所に設置されている指定取引場所に搬入し、次いで、指定取引場所に集まったテレビを家電メーカーが、道内3ヶ所にある再商品化施設で解体した後に、リサイクルを行うことが原則となっているところであります。
次に、テレビの廃棄の実態などについてでありますが、ご指摘のように、市町村が行う家庭ごみの収集にあわせ、テレビを分解して廃棄している事例も見受けられてるほか、不法投棄についても、ここ数年、横ばいであるものの、依然として約6,800台という実態であるところであります。
このため、道としては、国や市町村などで構成する「廃棄物不法処理対策戦略会議」などを通じて、引き続き、廃棄物の不適正処理や不法投棄の防止に努めるとともに、家電リサイクル法の趣旨や仕組みが十分理解されるよう市町村と連携しながら、道民や小売店、ごみ収集業者などへの普及啓発により一層努めて参る考えであります。
四.今後の取り組みについて
(一)アナログ波の停止の延期について
<質問>
一部の織者などから予定しているアナログ電波の停止を当分の間、延期してはどうかとの提言がされています。提言では10項目の問題点を挙げていますが、主な見解として、地デジ対応の受像機が、これまで視聴者に渡った台数は地デジ放送の開始前に国内に存在した1億2千万から3千万台の半数に留まっており、このままでは移行時に対応テレビを持たない世帯が数百万規模で発生すること、また、これらによる視聴規模の減少で民放のコマーシャル収入も減少して放送事業者の経営にも影響することを挙げています。このためアナログの停止を1年後に強行するよりも、放送を数年続け、テレビの自然な買換えを需用に即して移行する方が国民や国、放送事業者の負担も少ないと主張しています。これに対して国を初め関係者の大方の意見は、これまでの多大な投資などから予定通りの実施を主張しています。これらに関して今年3月現在での地デジの国内普及率が約84%とした国の調査結果を比較的、高所得の世帯に偏っているとして正確性を疑問視する意見もあるようです。このようなことについて、道の見解、また、道内の推進会議などでの関係者の認識はどうか伺います。
<答弁>
地上デジタル放送への移行については、平成13年の電波法の改正を踏まえ、平成23年7月24日にアナログテレビ放送を完全に停波することが規定され、これまで国を挙げて計画的に取り組みを進めてきており、道としても必要な役割を果たすよう努めてきているところであり、国民の方々や放送事業者の混乱を避けるためにも、また、電波の有効利用を早期に実現するためにも、予定通り実施されるよう努力すべきであると考えています。
このためにも、「地上デジタル放送推進北海道会議」などに参画する関係機関におきましても、先程申し上げました「地デジ最終年総合対策」を踏まえ、来年7月24日の地上デジタル放送への完全移行に向け、引き続き一丸となった取り組みを進めていくことが重要と認識しているところであります。
(二)移行後における道の取り組みについて
1.地上デジタル放送の有効活用について
<質問>
道は先の委員会の質疑で地デジ放送を道民のための行政情報の提供にも有効に活用していきたいと述べておりますが、具体的にどのようなことが考えられているのか、伺います。
<答弁>
地上デジタル放送は、従来のアナログ放送にはなかった、文字と画像をテレビ番組とは独立して表示することができるデータ放送の機能を有しており、現在、この機能を活用した行政情報の発信に関する事例や技術面も含めた課題等を把握するため、観光イベント、休日の当番病院に関する情報の発信など、試行的な取り組みを進めている道内自治体や放送関係者からの情報収集などに取り組んでいるところであります。
データ放送を利用した行政情報の提供については、道内はもとより、全国的にもまだ取組事例が少ないことから、道としては、引き続き情報収集や分析に努めながら、具体的な活用方策について検討を進めて参りたい。
2.移行時における道の取り組みについて
<質問>
来年7月以降にも引き続く課題が多くあります。移行時点で国や放送事業者の助成策や支援が一応、終了すると考えますが、その後の自治体でのケーブル化の取り組みや、未対応だった世帯等での改修工事などに国などの助成措置に代えて、道として必要な支援を行っていく考えはあるのか、伺います。
<答弁>
これまで道は、地上デジタル放送の送受信対策については、国の政策として推進しているものであり、安易に地方自治体や国民に責任や負担を転嫁することなく、国と放送事業者が自らの責任において取り組むべきという姿勢で臨んできたところであります。
こうした中、すでに移行後に関する事項についても、47都道府県で構成する「地上デジタル放送普及対策検討会」や道独自の要望等において、衛生による暫定放送を受信することになった地区については国と放送事業者の責任により速やかに地上系放送基盤を整備し難視聴世帯を解消すること、放送事業者の責務により整備した中継局の維持管理等に関する負担を自治体に求めないこと、アナログ放送終了後もデジサポによる相談体制を継続していくことなどを国等に対して求められているところであります。
道としては、ただいま申し上げた事項はもとより、現段階では予見できない事柄も含め、来年7月のアナログ停波後に生じる様々な課題等への対処につきましても、国と放送事業者が自らの責任において取り組むべきと考えており、今後もこうした姿勢で臨んで参りたい。